今月12日から14日まで文教福祉委員会の視察で京都市、神戸市、舟橋村を訪れました。
京都市の不登校児童・生徒への支援施策の中で特筆すべき点は、不登校になった場合の選択肢の多さにある。京都市では在籍校以外での多様な学びの機会の確保として、「ふれあいの杜」といわれる活動の場や「洛風中学校」「洛友中学校」などの不登校特例校、夜間中学校における形式卒業者の受け入れ、民間のフリースクール等がある。「選択肢の多さ」とは、ゴール設定を一つにすることなく、つまり不登校だからといって、今在籍している学校に必ずしも戻らなくとも良いと子どもたちに言ってあげること。一方、本市にも「つばさ」や「いずみ」といった不登校の児童・生徒が通う施設があるが、子供たちは学校に在籍したまま、不登校児として、あくまで今の学校への復帰を目指すこととなる。他に選択肢がない。
令和2年度の秦野市の不登校の児童・生徒数(年間30日以上欠席したもの)
小学校 51人
中学校 135人
合計 186人
このうち「つばさ」や「いずみ」に通っているのはわずか26人だけ
つばさ 12人
いずみ 14人
合計 26人
こう考えると、残りの不登校児童・生徒160人の受け皿として、京都市の洛風中学校、洛友中学校のような「不登校を経験した児童・生徒のための学校」が本市にも必要なのではないのか。
ちなみに不登校特例校(洛風中学校・洛友中学校)の年間総授業数は、無理なく学習できるように770単位に設定されている。文部科学相は学習指導要領で、年間総授業数を1015単位時間に定めており、新設するにも、まずは不登校特例校としての認可を取らなければならない。
また実際に洛風中学校を訪れ、天然芝の校庭、木で作られた温もりを感じる机と椅子、自分の仕事に充実感を感じているような校長先生の話し方、ギターや漫画がある自由な校風などから生徒一人一人が大切にされている印象を受けた。
すべての子どもたちを、誰一人取り残すことなく、全力で応援する「こどもの国はだの」に、こうした不登校の子どもたちに関する政策も取り入れるべきだ。
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