top of page
検索

空き家問題を考える

  • respectohadano
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:14 分前

先日、僕が所属する環境都市委員会で、岡山市の空き家対策について、視察を行いました。


地方自治体が「空き家問題」を本当に“根本から”解決するには、下記の4層構造(具体的には12の施策)で取り組む必要があると考える。


①発生させない

②流通させる

③撤去・再生する

④仕組みを変える


①「そもそも発生させない」

空き家問題の約8割は 相続放置が原因です。

そのため、最も効果が高いのは 相続発生前からの介入。


● 1.「生前の空き家対策」制度の創設

・実家管理診断

・将来的な売却・賃貸の選択肢を家族と話す「実家会議」の公式化

→ 府中市・武蔵野市などが導入し成果。


● 2. 空き家化しそうな家を“特定”して事前に支援

固定資産税の支払い状況・居住実態・要介護認定などから、「空き家予備軍」をAIで抽出 → 早期訪問。


● 3. 高齢者の「自宅維持困難」を早期キャッチ

介護・包括支援センターと連携して、“住み続けられない” の兆候を把握 

→ 相談につなぐ。


②「空き家の流通を止めている構造をこわす」

最大のボトルネックは、

●相続人が多い

●連絡がつかない

●登記が古い(所有者不明家屋)


● 4. 相続登記義務化を地元で徹底サポート

(2024年義務化済みだが浸透していない)

自治体が「相続登記支援センター」を設置して、司法書士の無料相談+書類準備支援を一体化。


● 5. 空き家の情報を“1枚の台帳”に一元化

税務 → 福祉 → 都市計画 → 固定資産 → 住民情報

これらの縦割り情報を統合し、「空き家台帳」を職員全員が使えるようにする。


● 6. 空き家を“売れる状態”にする自治体主導のプロデュース

  • 現況調査

  • 法務(相続・境界)

  • 清掃・残置物撤去

  • リフォーム見積り


    を自治体がワンストップで済ませられる体制


    (例:山口県周防大島町の「空き家再生スキーム」)


③「撤去・再生をシステム化する」


● 7. 解体費の補助だけでなく「定額解体パッケージ」

補助金申請・見積り比較・契約までを自治体が支援して、「定額で壊せる仕組み」を整える(例:長野県伊那市)。


● 8. 市営「公民連携リノベーション」の強化

老朽化した住宅を 市+民間+NPO が再生して

・移住者向け住宅

・子育て世帯用シェアハウス

・カフェ+コワーキング

に転用。


● 9. 空き家を地域の公共財に変える

地域コミュニティ施設、子育て拠点、学童クラブなどに転用。

(補助金:地域活性化・まちづくり交付金など活用)


④「空家を減らす仕組みそのものを減らす」

最も本質的な部分。


● 10. 固定資産税制度の見直し(国と協働)

現行制度=空き家は税優遇が残り、放置のインセンティブが強い。自治体としては、

「管理努力が見える家は優遇、放置は増税」

という独自制度を設計し、国へ働きかける。


● 11. 建物の寿命を「30年→60年へ」

空き家問題は“短命住宅”も原因。

長寿命化リノベの基準策定(耐震・断熱の標準メニュー化)。


● 12. 移住・二拠点生活の受け皿化

特に秦野市のように自然が豊かで東京圏に近い地域は

「空き家バンク × テレワーク移住 × 住宅補助」をセットで提供すると流通が一気に加速。


■【まとめ】

空き家問題は、「家が余る」問題ではなく、「所有者が動かない」問題。だからこそ、根本解決するには、

(1)発生前に介入し

(2)所有・相続構造を変え

(3)撤去・再生の仕組みを整え

(4)最後は制度そのものを変える


この4段階を同時にやることが大切。

 
 
 

最新記事

すべて表示
おしゃべり会

今月の「おしゃべり会」です。 「空き家対策について」 「多世代交流施設について」 「秦野市長選挙について」 など、テーマは自由。 市内・外関わらず、お気軽にご参加ください。 日時:11月28日(金)14時〜15時半 場所:本町公民館集会室B 市内外関わらず、お気軽にご参加下さい。

 
 
 
おしゃべり会(zoom開催)

今月の「おしゃべり会」です。 「地域交通のドライバー不足について」 「 物価高対策について 」 「秦野市長選挙について」 など、テーマは自由。 市内・外関わらず、お気軽にご参加ください。 日時:10月31日(金)19時半〜20時半 今回はzoomでの開催です。 市内外関わらず、お気軽に下記よりご参加ください。 Daisuke Ito さんがあなたをスケジュール済みの Zoom ミーティングに招待し

 
 
 

コメント


LINEで友達に拡散してください。

© 2019 Daisuke Ito All Rights Reserved. Proudly created with Wix.com.

bottom of page