戸川土地区画整理事業の一角から
- respectohadano
- 7月10日
- 読了時間: 2分
【調整池の設計基準は今の時代に見合っているか?】
現在、戸川地区では、「戸川土地区画整理事業」が進行中です。この計画の一部として、雨水を一時的に貯める調整池の建設が始まっています。一見すると堅実で安心なインフラ整備。しかし、ここに「見過ごされつつある大きなリスク」があると考えています。
①調整池の設計基準は「50mm/h」〜でもそれ、いつの時代の基準?
今回の調整池は、「1時間あたり50mmの雨」を想定して設計されています。
これは、10年に一度の降雨量を基準としたものです。
しかし今、私たちの周囲ではどうでしょうか?
全国的に線状降水帯やゲリラ豪雨が頻発し、神奈川県内でも1時間に80~100mmを超える記録的豪雨が毎年のように発生しています。
つまり、設計基準は「過去の気象」なのに、実際に襲ってくるのは「未来の極端気象」なのです。
2021年8月15日、山北町や松田町で「1時間に約100 mm」という猛烈な短時間大雨が発生し、気象庁から「記録的短時間大雨情報」が発表されました。
2023年9月の台風第13号では、関東一帯に線状降水帯が発生し、1時間降水量80 mm以上の非常に激しい雨が観測された地点がありました。
②このままではどうなる?〜想定を超える豪雨で「調整池が溢れる」
仮に、将来的に80mm/h級の豪雨がこの地域を直撃した場合、現在の調整池の設計では容量オーバーで対応しきれず、越流や氾濫のリスクが高まります。
とくに、調整池周辺にお住まいの方々にとっては、
床下浸水
車庫や庭への浸水
避難経路の遮断
など、生活への深刻な影響が現実のものとなりかねません。
さらに「都市型内水氾濫(※排水しきれないことで起こる浸水)」の危険性もあり、これは従来の河川ハザードマップでは見落とされやすい問題です。
③いま、必要なのは「設計基準の見直し」です。
秦野市の設計基準が悪いのではありません。これは全国的に古い基準のまま維持されてきた構造的な問題です。しかし、だからこそ「未来の現実に向き合う設計基準」への転換を提案する必要があります。
私は次の点を提言します:
戸川地区の調整池については、70〜80mm/h相当の「20年再現確率」レベルの設計雨量への引き上げを検討すること
今後の雨水対策は、地形・流域条件を踏まえた内水氾濫対策を含めること
事業の進行段階にあっても、「気候変動対応型インフラ」への再設計の柔軟性を残すこと
安全は、備えによってしか守れません。
このまちで、10年後も20年後も「災害に強い戸川」であるために、気候変動に対応した都市基盤整備の見直しを求めて行きます。
引き続き、皆さんのご意見・ご要望もお聞かせくださいませ。




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