先日行われた委員会での質問。中学校給食調理経費【461,068千円】について。回答については、まだ議事録が公開されておらず、ざっくりの内容です。正確に知りたい方は、公開をお待ちください。
<要約>
中学校給食費2・5億円のうち、地元の生産者に落ちるお金はたったの2000万円〜3000万円。地産地消推進の目的は、食育と農業振興にあり、これまでの重量ベース(小学校給食)、品目ベース(中学校給食)の他に、地元の生産者に実際に落ちるお金を表す金額ベースの指標を設けるべきだ。地産地消と学校給食と農業振興の三つを同時に考え、縦割り行政の弱点を解消するためにも、「地産地消推進課」を創設してはどうか?
問1:中学校給食調理経費の主な内訳はどのようか。
答1:主な内訳は、食材購入費と学校給食センターの委託料である。食材購入費の内訳は、食物アレルギーなどにより給食を食べられない生徒を除き、教職員合わせて約4,450人分の約2億5,000万円である。また、学校給食センターの調理や運搬に係る運営事業費として、令和4年度分の約2億1,100万円の、計4億6,100万円である。
問2:購入する地場野菜の使用率を今後50%にしていくとのことだが、地産地消率の算定方法を「重量ベース」から「品目ベース」としたのはなぜか。
答2:現在、給食における地場産率の算定方法の決まりはないが、農林水産省では地場産率の算定方法を「品目ベース」で捉えている。また、地産地消を推奨している自治体でも品目ベースで捉えているところが多くある。重量換算では、年間を通じ、ジャガイモ、人参、大根、玉ねぎ、キャベツといった重量のある野菜を多く使用することで、地場産率を上げていくことは可能だが、献立に偏りが生じることや、給食を通じた食育に生かすのであれば、地元の様々な種類の野菜を知り、味わっていくことが重要と考えるため、中学校給食の導入に
合わせ新たな算定方法として、「品目ベース」としたもの。しかし、今までとの比較ができるよう、重量ベースでも記録はしていく。
問3:重量ベース、品目ベース、これらの指標は何のために存在するとお考えか?
答3:給食における地場産率の算定方法
問4:そもそも地産地消とは何のために行うのか?
答4:食育と地元の生産者にお金を落とすため
意見:
1、食育について
文部科学省「食育」ってなに?
(1)食べ物を大切にする
(2)好き嫌いしないで栄養バランスよく食べる
(3)食事のマナー(社会性)
(4)心身の健康
(5)安全や品質など食品を選択する能力
(6)地域の農産物や歴史など食文化の理解 → 地産地消に関わってくる
2、地元の生産者にお金を落とすこと、そこで次の質問
問5:「地産地消とは学校給食という巨大なマーケット(公共調達:約2.5億円)のお金を地元の生産者にいかに多く落とすことができるのかの構造上のシステム作り、農業振興策でもある」これについてどう思われますか?
問6:中学校給食開始後の、小中学校における地場産率はどのようか?
答6:小中学校共に本年度の集計はできていないが、小学校給食の令和元年度の地場産率は、重量ベースは30.7%、仮に品目ベースで算定した場合には37.2%。また、中学校給食開始後、2月までの実績による地場産率は、重量ベースで約54%、品目ベースでは約40%。
問7:中学校給食開始後、2月までの実績による地場産率が、重量ベースで約54%と高い数値を示しているのはなぜか?
答7:地場産物の活用に関する協定を結んだ秦野市農業協同組合へ、提供予定の献立をいち早く示したことで、使用する野菜の種類や作付け、またその収穫量や貯蔵量を調整していただき、納品に備えていただいた事が大きかった。また、今期は、あくまでも重量ベースでみた場合、冬野菜は白菜や大根、里芋といった、重量のかさむものが多いことも要因の一つと考えられる。
問8:地場野菜を多く購入できるよう、農協と連携して取り組んでこられているが、食材購入費の約2億5,000万円のうち、主な購入先は、神奈川県学校給食会、青果分、その他の食材分と別れるが、主に市内に落ちる青果分の支払額はおおよそどれくらいか?
答8:令和3年12月から令和4年1月に提供した支払いの実績から算定した場合、市内の事業者である秦野市農業協同組合から購入する青果の割合は約13%で32,500,000円、神奈川県学校給食会から購入する割合は31%で77,500,000円、その他は56%で140, 000,000円ほどになると試算しています。
意見:支払内訳別に考える
(1) 青果(JAはだのへの支払い分) 13% 32,500,000円
(2) 神奈川県学校給食会(牛乳パン麺等) 31% 77,500,000円
(3) その他 56% 140,000,000円
意見:青果(JAはだのへの支払い分)は3,250万円とのことだが、この3,250万円のうち、地元の生産者に落ちるお金は
重量ベース(54%):1,755万円
品目ベース(40%):1,300万円
問9:「地元の生産者にいかに多くのお金を落とすのか」という地産地消の観点から、地元生産者に落ちるお金を表す「金額ベース」での指標があると良いと考えますが、どうですか?
金額ベース 全体の2.5億円のうち、たったの1,300万円 全体の5.2%
問10:今後、この数字(5.2%)をどうやって増やしていくのか?何か具体策はありますか?
答10:旬のものにこだわると、地場産率は上がる
意見:先日の風間議員の代表質問で、有機、オーガニックな学校給食を取り入れてはどうか?秦野産米の給食日を作ってはどうか?という質問に市長が「県と協議していく」とお答えになっていた。この場合の県ってなに?と思ったんです。この場合の県って神奈川県学校給食会のことなのではないのか?
問11:秦野産米をより多く使うためには、神奈川県学校給食会との話し合いが必要なのでは?既得権との話し合いが必要なのではないか?
問12:秦野市と神奈川県学校給食会との関係性はどのようなものなのか?米、パン、牛乳のうち、米だけは地元産で、残りのパンや牛乳は引き続き購入をお願いするというような、0、10じゃない議論、契約は可能なのか?
答12:可能である
問13:センター方式と自校方式、青果の地場率向上には、どちらの方式がベターだとお考えですか?
中学校給食 → センター方式 → 大量生産、大量消費
小学校給食 → 自校方式 →よりきめ細やかな対応ができる
問14:規模の大きいセンター方式だと、具体的には、サイズの違う、規格が違う青果物に対してラインを2本にできる。また規格の違う青果物に対応できる裁断機、皮むき機を導入できると以前、課長はセンター方式のメリットをそのように説明されていたことを覚えていらっしゃるでしょうか?実際に給食センターを見学した時には、そんな裁断機、皮むき機などなかったと記憶しているのですが、、、
答14:MサイズとLサイズの二つに対応できる
意見:(お米の例)千葉県いすみ市、令和3年度9月議会の一般質問で、お米の地産地消とは、最終的には、農家と作付け面積あたりの契約を結ぶことだと言った
センター方式、大量生産、大量消費型
→ 遠くから、安く、大量に
→効率(良)しかし環境への負荷(大)安全性の問題(疑)
自校方式、より地産地消型
→近くから、少しだけ割高、少量に
→手間はかかる、環境への負荷(小)安全性の問題(顔の見える距離)
よりきめ細やかな対応ができる自校方式の方が地産地消には向いている
CO2排出、食品の安全性、増加する耕作放棄地、農の担い手不足、グローバルで解決できないことはローカルな世界で解決策を見つけ出していく時代。戦後、築き上げてきた大量生産、大量消費のシステムが生んだ問題。このやり方自体を変えなければ、持続可能な社会なんて作れるわけがない。
(まとめ)
地産地消と学校給食じゃなくて、地産地消と学校給食と農業振興で考える
→ 縦割り行政の解消、「地産地消推進課」を創設してはどうか?
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