日産・追浜工場閉鎖について思うこと
- respectohadano
- 7月16日
- 読了時間: 3分
更新日:7月27日
製造業工場誘致による大規模開発の欠点(追浜閉鎖から見える構造)
① 【企業依存リスク】撤退・縮小は自治体のコントロール外
自治体が多額の税金を投じてインフラ整備や補助金を出しても、企業の経営判断一つで突然撤退・縮小される。
追浜のような「グローバル戦略に基づく合理化」は地元の事情とは無関係で、地元雇用・経済に甚大な打撃を与える。
② 【雇用の不安定性】派遣・非正規が多く、地域定着につながりにくい
製造業の多くは正社員比率が低下しており、派遣・請負労働者に支えられる構造。
地元雇用に見えても実は他地域からの流入が多く、地元住民の定住・子育て促進に結びつかないケースも多い。
③ 【ハコモノ行政の再来】土地造成・インフラ整備に巨額の初期投資
土地の造成・道路整備・上下水道・電力網など、自治体の初期投資は数十億円単位になることも。
企業撤退後は「空洞化した造成地」や「使われないインフラ」が「負の資産」となり、維持・管理費が将来世代にのしかかる。
④ 【産業構造の固定化】地域経済の多様性が失われる
一つの大企業誘致に成功すると、その裾野産業ばかりが集積し、他の産業の成長が阻害される可能性あり。
企業撤退時には「何も残らない」状態に。
⑤ 【脱炭素・AI時代との逆行】中長期での構造的リスク
EV化・自動運転・省人化の進行により、そもそも従来型の工場が持続的に雇用を生み出す構造ではなくなっている。
企業のグローバル再編が進む中で、「地方に安価な土地がある」ことの競争優位性が薄れている。
「日産追浜工場閉鎖」という現実は、製造業工場誘致=地域活性化という神話を完全に終わらせました。秦野市がそれでもなお大規模開発による製造業誘致に踏み出すとすれば、それは”将来世代に高リスクを押し付ける過ち”です。もっと地域の強みを活かした持続可能な発展戦略こそ、令和の自治体が選ぶべき道です。
本市にとって戸川土地区画整理事業(市税66億円投入)のような工場誘致は、むしろ「今の秦野に合わない戦略」であり、未来を奪う選択肢になり得る。今ある強みを活かせば、高リスクな工場誘致を選ばなくても十分成長できる。
現在、本市の北地区では、外部依存に頼った「工場誘致(産業系)による街づくり」が行われようとしています。しかし、上地区のように、教育移住者を増やし、小さな内部経済圏を育てて行くことの方が、本市の強み『「都心から一時間」✖️「日本一の名水(豊かな自然)」』を活かせる戦略であると考えます。
現に、令和4、5、6と3年連続で人口が増えているのは北地区だけです。
私たちの未来は、もっと別のところにあります。
例えば、戸川の自然を活かしたエコで持続可能な街づくり。
地域で子どもを育て、高齢者も安心して暮らせるインフラやコミュニティ。
農・観光・教育・福祉――人が主役になる、地に足のついた経済です。
「工場を呼ぶ」のではなく、「人が残るまち」をつくる。
本市の街づくりの戦略は「プランB」であるべきだと考えます。

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