5月13日から15日まで所属する環境•都市委員会で姫路市(兵庫県)、高島市(滋賀県)、新城市(愛知県)の三つの市を視察させて頂いた。
環境•都市委員会の政策提言のテーマは「労働力不足」「人材不足」であり、日本全体の大きな課題ではあるが、各々の自治体の取り組みを聞いた。その中でも「本気度」を一番感じた高島市の取り組みについて、いくつか気づいた点を簡潔に述べさせて頂きたい。
高島市の取り組みで、一番すばらしい点は「やれることはすべてやる」という姿勢だ。
①補助金の活用(H27~H29「実践型地域雇用創造事業」→R3~R5「地域活性化推進事業」)
「実践型地域雇用創造事業」は、応募条件である有効求人倍率0.67以下で応募。(平成26年12月当時0.66倍)その後1.15倍まで上昇すると、「地域活性化推進事業」は、過疎等地域として応募要件をクリア。令和6年度も事業構想書を提出して、事業を継続する予定とのこと。
実践型地域雇用創造事業→2億円
地域活性化推進事業→4千万円
②外部人材の登用
商工観光部、商工振興課の現課長は、外部人材。地元出身者ではなく、中小企業診断士の資格や都市での広告代理店企画営業などの職歴を持ち、説明も大変わかりやすく、いわゆる定型の「公務員」というイメージにあてはまらない人材だとすぐにわかる。「労働力不足」、「人材不足」という明確な「答えがないこと」に直面した時に、周りの人とコミュニケーションをとりながら、自分で答えを作り出せる。また「よそ者」の視点で高島市の魅力を捉えている点が強みであると思った。こういう人材が本市にも欲しい。本市の市長、副市長二人のお三方いづれもが「秦野出身、市役所出身、男性、60歳以上」これだけ似通った特徴を持つことに危機感を感じるなら、外部人材を積極的に登用するべきだ。
③転入>転出 わずかながら微増
問題の枝・葉ではなく、根の部分に注視する。「労働力不足」「人材不足」という大きな問題に取り組む際に、UIJターン、移住政策に力を入れるのは当然で母数を増やす努力が必須。令和4年度の高島市の社会増減はプラス3人。京都から電車で45分。ベットタウンとしての可能性も追求。人口16万人の本市の移住コンシェルジュがたったの1人であるのに対して、高島市は人口4.5万人なのに、移住コンシェルジュは3人。よく転入を促す移住政策と転出を抑止する定住政策がセットにごちゃ混ぜに語られることが多いが、自分の人生を振り返った時に、若者が都市へ出て行くのはある意味、当然なのではないか。むしろ、本市や高島市のような大都市近郊型は、若者が一度出ていった後、結婚して子育てをするような段階で、移住先の一つとして魅力を発信するべきなのではないか。
ただし、兵庫県明石市や千葉県流山市のようなベットタウンとしての可能性は、大都市近郊型の自治体ならどこも遅かれ早かれ、程度の差はあるにせよ、追求しているように思う。子育て環境を整え、若者に移住してきてもらいたいとうのは、ここ数年全国的なブームになっている。だからこそ、他市との差別化を図るためにも、本市は一歩先へ進みたい。それは第一次産業(農業、林業)や環境分野(エネルギー)への投資である。もう少し具体的に言うなら、域内での地産地消による食料自給率のアップ、バイオマスエネルギーの活用、農の担い手不足、耕作放棄地などの取り組みにおいて、いかに持続可能なシステムを再構築することができるのか。また暮らしにおいても、不登校やヤングケアラー、コミュニティの崩壊、上がり続ける介護保険料など、これからの超少子高齢化時代において、課題は山積みだ。大分話が逸れてしまったが、いづれにしても「これからの正解のない時代に、いかに右往左往しながらも、自分たちの頭で考えて、ベストな方法を生み出していけるのか」にかかっている。②の話にもどるが、やはりステレオタイプに陥らない、多様性のある人材ありきの話なのだ。
④新商品の開発
滋賀県はもともと発酵食品が盛んで、長寿だそうだ。長寿✖️発酵のコンセプトで三つの商品を開発。ビワイチ発酵ゼリー、二種類のマフィン、発酵ジャムなど健康志向が高まる中、「発酵」に注目した点が秀逸。本市にも他にはないすばらしい地域資源がある。
「インバウンド✖️ビール✖️ゆで落花生」
「日本一の名水✖️都心から一時間✖️有機農業」
など、新しい可能性を模索するべきだ。
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