「令和5年度秦野市一般会計予算を定めることについて」の反対討論
「全国屈指の森林観光都市を目指す」
これは市長が2期目のスタート時に掲げた目標。
具体的な事業としては、新東名高速道路を最大限に活用した「表丹沢の魅力作り構想」「戸川土地区画整理事業」「小田急線4駅周辺のにぎわい創造」がこれに当たる。
反対理由は、こうした本市の基本戦略において、限られた予算の中、「事業の優先順位の見直し」や「選択と集中」が、もっとしっかりと行われるべきだと考えるからです。
「女性と子どもが住みやすい街」
今議会から、突如、市長が言い始めたフレーズ。全くの初耳で、一瞬自分の耳を疑ったが、令和5年度予算(案)を見ると、産科有床診療所整備等支援事業費補助金として1億円。
医療法人「葵鐘会(きしょう会)」からの問い合わせを契機に、本市の長年の夢でもあった分娩事業に新たな光が見え始めた。また、妊娠出産包括支援事業費の中に、約300万円。妊産婦へのタクシー利用助成事業が含まれている。
おそらく、市長はこうした事業を指して「女性と子どもが住みやすい街」と言い始めたのではないか?
しかし、どうしても”付け焼き刃な”印象を持ってしまうのはなぜか?
”本物”じゃないと感じがしてしまうのはなぜか?
例えば、小•中学生を対象とした小児医療費無償化の所得制限の撤廃。これ一つとっても、僕は去年9月定例会の文教•福祉予算委員会の中で、いくら提案をしても、内田副市長は
「財源が、、、予算が、、、」みたいなことをおっしゃっていたんです。
しかし、これが一転。
国の「異次元の少子化対策」や県内他市と足並みを揃えるかのような「横並び意識」を背景に、現実に市長は今こうして「女性と子どもが住みやすい街」と言い始めている。
もちろん、僕はこれには賛成で良かったとは思ってはいるけれど、”付け焼き刃”的ではなく、総合計画や市長のリーディングプロジェクトを見直すといった「政策の転換」を図るべき時なのではないか?
既に「かじ」をきるべき方向性は示されている。
1、先日のNHK 首都圏のニュース
小田急電鉄と神奈川県伊勢原市は新駅検討などの連携協定を締結。
そんな中、本市では令和5年度より「大山ケーブル」と「鶴巻温泉北口」を結ぶバスの
季節運行期間を年間で24日間拡大する方針を発表。
2、また、去年9月30日(金)をもって、高速バス「秦野丹沢登山号」東京駅~大倉間のバスは運行を終了した。
市長の掲げる「表丹沢の魅力づくり構想」と世間が本市に求めるニーズの間に”ズレ”が生じているのではないか?
週末の朝、秦野駅や渋沢駅は登山客で一杯。「表丹沢に観光客を呼ぶ」なんてことは、既に開拓された市場で、今更「表丹沢魅力づくり構想」を掲げて、さらなる観光客の誘致を推進しなくとも、既に十分、観光客は訪れていると見るべきなのではないか。また観光客の令和3年一人当たりの消費額も1422円と少ない。
市長のおっしゃる「にぎわい」は観光客のさらなる誘致による「外需」を期待してのことなのか?
それとも、僕が主張するように移住・定住政策を前提とした「内需」による「にぎわい」なのか?
果たして、どちらが本当の「にぎわい」を作り出すのか?
今議会の今井議員の代表質問では
「にぎわい創造のシンポジウムを開いたって、いつも同じメンバー。プレイヤーがいつも同じでは、本当の「にぎわい」なんて生まれるわけがない」とおっしゃっていた。
本市の子育ての街としてのポテンシャルは未開発で、本当にすごいんです!!!
①空き家バンクに登録された85件のうち、既に51件が成約
②お試し移住「丹沢ライフ」の申込数が開始わずか20分で80件
③定住化促進住宅「ミライエ秦野」から退去した96世帯のうち74世帯(77%)が
市内に残り、そのうちの51世帯(23世帯はもともと市内在住者)が市内に住宅を購入
④転入超過>転出超過 過去10年間で最高の780人の転入超過
⑤(日経)共働き子育てしやすい街ランキング2022 全国16位 県内2位
それに対して、本市の子育て政策や移住・定住政策は、紙オムツの持ち帰り問題にしろ、パートナーシップ制度の導入にしろ、小児医療費の無償化にしろ、国や他市の状況を見ながら全くの「後手」なんです。
それなのに、こうして現実に結果が出ているのだから、「本腰」でここを後押しして行くべき。まずは本市に求めらているニーズを正確に把握するべき。
時代のニーズにあった良い政策
↓
人々に安心を産み
↓
安心があれば、そこに人が集まってくる
↓
人が集まれば「にぎわい」が生まれ
↓
「にぎわい」は、新しい財源を生み出す
↓
新しい財源は、次の政策へ繋がって、好循環が生まれていく
こうした好循環を本気で作り出すための「選択と集中」や「リーダシップ」が本市には必要です。
以上、反対討論
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