昨日は陳情<令3陳情第6号>
「秦野市の2030年温室効果ガス削減目標の大幅な引上げを求める陳情」について、採択(賛成)理由を述べました。
結果は、僕以外の議員は全員不採択。少し長いですが、興味のある方は。
<賛成理由> 国が部門別の目標値を示さない限り 市としては、具体的なロードマップは描けない。
各部門、何%削減したら良いか計算できない。 46%削減への具体的な目標値も示されていない中、60%への挑戦を掲げることは、現実的ではない。
ほとんどの役人、職員は「そう」考えるでしょう。
しかし、何か腑に落ちない。
例えロードマップが描けたとしても、ペーパー状の計算をしたところで
それが実際に温室効果ガスの削減につながるわけではありません。
「目的」と「手段」が混同されるケースが多々あります。
この気候変動問題、目的は、あくまで2100年までに産業革命前の気温と比較して
1.5度以内におさえること。
その手段である46%なのか60%なのか、いろいろ議論されていますが、
とにかく温室効果ガスを現実的に1パーセントでも削減する努力が
気温の上昇抑制につながるのです。
政治家は、時として大局観を持ち、大きな方向性を示すことがその役割。
この問題の目的の達成のためには、とにかく人々の行動レベルでの変化が必要
我々政治家がイニシアティブを持って、「やるぞ」と市民に大号令をかける
まずは我々議員が先頭にたって、通勤スタイルを車から自転車に変えていく
ぐらいの「覚悟」が必要です。
その「政治の覚悟」を示したはずの「市に気候非常事態宣言を求める陳情」の採択
だったが、、、執行部には響かず、、、
我々は大号令をかけることすらできなかった。
ちょうど一年前の話です。
2030年まで残り9年しかありません。
今回の60パーセント削減目標。
若者を中心に目標を高く掲げるべきだという声が上がっているようですが
気候変動による被害を被る可能が高い若者がより「本気」になるのはある意味、当然。
スウェーデン人の環境活動家グレタ・トゥーンベリ
グレタの主張は「資本主義が経済成長を優先する限りは、気候変動は解決できない」
というものです。
彼女の怒りに火を注ぐのは、依然として経済成長を優先しようとする、これまでの
暮らし方を続けられる解決策にしか興味を示さない政治家やエリートの態度です。
秦野市が「市に気候非常事態宣言を求める陳情」の採択から
この一年間を無駄にしてきたように、、、
実際、資本主義は、1989年の冷戦終結以降の貴重な時間を無駄にしてきた
経済成長に伴う環境負荷が飛躍的に増大したのは、第二次世界大戦以降、
特に冷戦体制崩壊後です。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が設立されたのは1988年
あの時、大人はすでに、気候変動は人為的に引き起こされいると
気がついていた、、それなのに、、、この30年間を無駄にしてきた。
もしこのころから対策を始めていれば、CO2排出量は年間3%くらいの
ゆっくりしたペースで減らしていけばよかった。
グレタの言う「本気」とは、
我々先進国で暮らす人々が、今の大量生産、大量消費による快適な生活を改めなければ
ならないということ。
中国、アメリカ、インド、ロシア、日本の上位5か国だけで世界全体の60%近くの
CO2を排出している。
「SDGs」「緑の経済成長」「EV車を導入すれば、CO2排出は抑えられる」
一見聞こえはよいが、この問題の本質的な解決には繋がらない。
我々の生活スタイル、資本主義自体を見直すべき時にきているのです
経済成長か気候変動かを問われた時に、即座に気候変動と答えるようでなければ
ダメなのです。
企業はあらゆる手段を使って生き延びようとします。
アップル
取引先の企業が再生可能エネルギーじゃないともう取引はしないと言っている。
「緑の経済成長」をうたっている。
一見地球環境のことを考えているような気もするが、そんなものに騙されては
いけない。
次々に商品を開発し、広告により、人々の購買意欲をあおり、
何年かすると必ず壊れる携帯電話を作り続ける。
「EV車」を導入すれば、確かにCO2排出は抑えらるかもしれない。
しかし、その製造過程で、鉄やレアメタルなど天然資源を使い、
二酸化炭素を排出する。
そこを考えずして、人々はSUVのような大型のEV車に乗り換えるというような
現象が起こるとしたら、「滑稽」です。
大切なことは、10、20年経っても、買い換えなくても済む携帯電話を
つくること。
人々は、ガソリン車からEV車に乗り換えるだけではなく
自転車やエネルギー効率の良い公共交通に移動の手段をシフトさせていくことです。
私は、資本主義に対するアンチテーゼとして60%削減案、「採択」としたい
と考えます。
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