「災を転じて福となす」
添付の資料1(日本の人口推移)をご覧ください。
1868年(明治維新) 3300万人
1945年(終戦時) 7200万人
2010年(人口のピーク) 1億2800万人
現在は、人口減少=諸悪の根源ですが、歴史的な文脈で考えれば、明治時代から1980年ごろまでの100年間、日本では人口増加=諸悪の根源と考えられてきた。
また、人口増加に対する解決策として、
①食糧難を解決するための移民(ブラジルなどへの移民)
②人口抑制のための産児制限
③住宅難を解決するための郊外・地方への移住
など、かつて行われてきた。
しかし、1990年代に入って、ようやく人口減少の兆しが出てくると、人口減少=諸悪の根源となってくる。つまり、人口は増えても問題、減っても問題なのです。
現在の日本は、人口増加というメガトレンドが人口減少というメガトレンドにシフトする端境期。少子高齢化による税と社会保障の一体改革が急務です。
よく「少子化に歯止めを!」などの少子化対策を語る政治家がいますが、人口減少という大きな流れの中では、せいぜいマイナスを少なくするという程度のことで、少子化対策は、あくまで対処療法であり、実効性のあるビジョンとは言えません。
視野狭窄、目先の問題の解決に明け暮れていては、骨太の戦略構想が出てこなくなる。
(政治家の多くは、自分の任期に関わる15年ぐらい先のことしか考えていない)
考え方によっては人口減少にもポジティブな面がいくつもある。日本は世界に先駆けて「高齢者の絶対数の増大が止まる国」。人口減少を逆手に取って、その先にある豊かな未来のビジョンを描いた方がむしろ得策なのではないか。
大変なのは、人口が減った末の日本ではなく、定常状態になるまでのプロセスの方。社会保障費の増大。生産年齢人口が減り、社会保障費を担う納税者への負担はますます大きくなる。聞こえの良い対処療法は問題を先送りにするだけで、メガトレンド(社会に大きな課題を突き付ける巨大な潮流)に逆ろうとしても勝ち目はない。
ドイツ 8300万人
スウェーデン 1000万人
スイス 850万人
人口は減っても繁栄は可能です。1人あたりの国内総生産(GDP)が国の豊かさを示しているとすれば、分母が小さくなること自体は悪いことではない。人口減少を前提に、例えば将来の7000万人の日本のポジティブなビジョンを描く。
そこにリーダーの本来の役割があるのではないか?
今日は戸川土地区画整理事業の説明会。
16m幅の都市計画道路。2030年(令和12年)の将来交通量は8600台/日だそうだ。それが、人口7000万人(2070年頃)の日本になる時、どのくらいの交通量になるのか?本当に必要なのか?人口減少を前提としたインフラ整備の話がなぜできないのか?
答えはそう遠くない日(今からたった約50年後)にわかるだろうが、道路はハコモノと違って、折りたたむことができない。一度作ったら、維持管理費が一生かかり続けることを忘れてはならない。
資料1
資料2
増え続ける道路に対して、維持管理費(道路橋りょう費)は、ほぼ横ばい。道路橋りょう費を増やせなければ、道路の管理瑕疵に関する専決処分が毎回議会にあがってくるのは当たり前。
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