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  • respectohadano

クルマがなくとも移動に困らない町へ

日本の地方はクルマ社会。


東京と大阪とその近郊の大都市を除き、日本社会ではマイカー依存が進んでいる。クルマ社会になったことで大きな駐車場のある大型店がはやり、中心市街地の商店街は衰退。他に使い道もないからと街中には青空駐車場が目立っている。


それだけではなく、マイカー依存が進んだことで公共交通も衰退した。日本バス協会の調べによると、乗り合いバスの利用者は、この半世紀で6割近く減少。朝晩の通勤・通学時間以外は一時間に一本あればいいなど、利用者が減るから使い勝手が悪くなり(本数が減り)、使い勝手が悪いからさらに利用者が減っていくという悪循環。


クルマがないと生活できない日本の地方生活。


先日、とある市民の方とお話しをする機会があった。旦那さんは要介護1の認知症と診断され、免許証を返納。免許を持っていない奥さんは、徒歩とバスを乗り継ぐ買い物生活を突如強いられ、大変困っているという。


リアルな問題だと思った、、、


秦野市では、「栃窪買い物クラブ」「菩提買物支援隊」「栃窪移動支援事業」など自治会や社会福祉法人の協力を得て、ボランティアのドライバーによる買い物支援、移動支援を行ってはいるが、運行回数(週に1回)や地域もごく限られていることから、団塊の世代が後期高齢者になる2025年以降、免許返納者が増えることはわかっているので、これらはあくまで対処療法にしか思えない。


免許を返納した後期高齢者は、地方でどのようにして生きていけば良いのだろうか?

フランスなどでは、移動できる権利を基本的人権の一つに位置付け、移動の自由を個人の生活の質や尊厳に関わる大切な問題であるとして捉えているそうだ。


<クルマ中心の社会から人間中心の社会へ>

完全にクルマ中心社会になっている日本の地方都市は、一般的に、歩いていける範囲に出ていきたくなるような場所がない。中心市街地は寂れているから、休日の過ごし方といえば、特定の趣味のある人を除き、郊外のショッピングセンターに行くのが関の山ということになる。そもそもファミリー層以外にはそんなに楽しい場所でもない。


独り身の若者や子供が独立した後の成熟した世代が楽しめるような場所が、日本の地方都市には圧倒的に欠けている。行く場所がなければ、外出が減るのは当然で、地方都市圏の外出率の低下は、そこに住む人々にとって外出したくなるような場所が年々減ってきているということの表れである。


これに対して、ヨーロッパの地方都市は、そんなに大きくなくても中心市街地に常に人の往来があり、「にぎわい」がある。中心部には路面電車が走り、車がなくとも移動ができて、ウィンドーショッピングをしたり、公園やカフェでのんびりしたりできる。休日は広場にファーマーズマーケットが立つから、朝から大勢の人でごった返す。すべての地方都市がそうだというわけではないが、衰退していない欧州の地方都市に共通するのは、歩いて楽しい町、クルマがなくとも移動に困らない町になっているということだ。


歩いて楽しくて、移動に困らない町になっているのは、そういう方向での足づくりとまちづくりの努力を行ってきたからで、クルマ社会になるに任せて無計画にまちづくりをしてきた日本とはそこが大きく異なっている。


ヨーロッパではクルマ社会からの脱却を目指したまちづくりが行われるようになったのは1970年代以後、まだ30年にも満たない。たったそれだけの期間だが、マイカー以外の交通手段をつくる足づくりの努力と、歩いて楽しめるようなまちづくりの努力を続けた結果が、今の欧州の地方都市のにぎわいにつながっている。


日本には、欧州が経験してきたそういう努力が徹底的に欠けている。政府の未来投資戦略2018がMaaS(注1)とまちづくりとの連携を強調するのは、MaaSをきっかけに、足づくりとまちづくりの間に橋を架けようとしているからだ。特に地方都市においては喫緊の課題である。<続く>

(注1)MaaS(マース):Mobility as a Serviceの略

マイカーという魅力的な移動手段以上に魅力的な移動サービスを提供し、持続可能な社会を構築していこうとする全く新しいライフスタイルを創出する概念。単一の交通モードではなく、電車、バス、タクシー、レンタカーといった従来の交通サービスやカーシェアリング、自転車シェアリング、配車サービスなどの新しい交通サービスをすべて統合し、1つのスマートフォンのアプリを通じてルート検索、予約、決済ができる。利用者は移動のニーズに応じて最適な交通サービスの組み合わせを選択し、ドア・ツー・ドアでシームレス(途切れなく)に、かつリーズナブルに移動できるようになる。


日本版MaaSの推進(国土交通省)


経済産業省と国土交通省では、地域と企業の協働による意欲的な挑戦を促す「スマートモビリティチャレンジ」プロジェクトを2019年から開始。本プロジェクトでは、将来の自動運転社会の実現を見据え、新たなモビリティサービスの社会実装を通じた移動課題の解決及び地域活性化を目指している。



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