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後期高齢者医療保険の窓口負担2割化について

<後期高齢者医療保険の窓口負担の2倍化の中止・撤回を求める意見書の提出についての陳情書 >について「賛成討論」を行いました。


陳情文にあるように、神奈川県の後期高齢者の約72%が所得100万円未満。

この実態を考えると、後期高齢者に医療費の負担増を求めるべきではない。


しかし、この問題を社会保障費の配分という点から考えると、限られたリソースを これ以上、高齢者側に使うべきではない。


2016年一般会計予算に社会保障給付費を足した総額は約170兆円。

そのうち、65歳以上の層に医療費の60%が発生するなど、

年金と医療費を合わせて、約90兆円が使われている。 


また、既にこの世を旅立たれた人も含め「過去の社会保障費」と言うべき国債(残債)

の支払いが、25兆円程度存在する。


合計で115兆円。


つまり、国家リソースの70%近くを65歳以上の高齢者と過去に使っている。

それに対して人口の2/3を占める現役世代と「未来を担う層」に使われている

国家リソースは、わずか30%。 


「未来を担う層」こそが我々の未来であり、我々が未来を託す人たちにもっと

投資をしなければならない。


それでは、どう「やりくり」すればいいのか?


一つは、「人生100年時代」生産年齢人口の再定義。


現在の生産年齢人口65歳までを、一気に80歳くらいにまで引き上げる。

仕事に「生きがい」を感じ、元気でやる気のあるシニア層には「支える側」に回ってもらう。


「高齢者が残ると、若手にポストが回らなくなる」というのは、単なるマネイジメントの問題であって、他に解決方法はあるはずだ。


二つ目は、現行の医療制度にきちんとしたインセンティブを働かすこと。


現在の医療制度は、「提供したサービスの量」で金額が決められてしまうシステム。


例えば、技術水準の低い、経験の浅い医師が手術を行って失敗して、合併症を引き起こ

したりすると、保険点数が増えて、逆に支払額も増えてしまうという現象すら起きている。


現在の保険点数表について、明らかなことは、物的なものが中心として評価がなされ、

医師、看護士などの技術料に相当するものが極端に低く評価されていること。


検査、投薬、輸血などが過剰に行われてしまう印象を与えるのは、ある意味「当然」で

わかりやすい例は、薬の量。

大した風邪でもないのに、大量の薬を渡されたご経験のある方は多いかと思う。


あれは、医師や看護士などの人的費用、施設や機器などの維持費についての赤字部分を

検査料、薬剤料、輸血料という項目から出てくる黒字部分で補填しようとしているから。


本来なら、「提供されるサービスの量」ではなく「患者の状態を改善させること」に対して インセンティブが働かなければならない。

今後、後期高齢者の数はさらに増えるが、「保険点数制度」を見直すことで、医療費全体の無駄をなくし、総額では現状維持または減少させる。


「被保険者にとっては、2割負担になったとしても支払う額は現状維持または減少する」


このような「やりくり」が今後の少子超高齢化社会には必要であると考える。



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